LYFUK STORY

重機が入れない現場への、検査路の設置。

 建設業界では、何かを建設する際に、建設予定物の周囲にも補強等のために手を加えることがあります。例えば、新たにトンネルを開通させる際、周囲をコンクリートで固めるのはよくあることで、事前に地域住民の了承を得て工事に入ります。その際に地域住民と約束をすることがあり、「工事の関係で無くなる獣道のかわりに新たな道をつくること」もそのひとつでした。その解決策として、住民が通行する道として使うための「検査路」の設置をライフクへ依頼いただいたのですが、その現場は重機が入れない、施工の難しい崖だったのです。

これまでのご恩と期待に応えたい。

 検査路を設置する崖はもともと土が見えていましたが、崖の横にトンネルを開通させる際、崖崩れを防ぐためにコンクリートで斜面を固めたため、そこにあった獣道がなくなってしまいました。ライフクは以前の獣道は見ていませんが、住民の方にとっては必要な道だったのでしょう。崖に設置するのは困難が予想されましたが、地域の暮らしを守りたいお客様のため、そしてライフクへのご期待とこれまでのご恩に応えたい一心で、すぐに仕事に取り掛かりました。

写真中央付近が崖に検査路を設置して作った道。

正確な計測ができず、足場が組めない崖での施工計画。

 もともと獣道があった場所は、かなり複雑な地形でした。まず崖の斜面は凸凹過ぎて計測ができず、正確な図面を引くことが出来ません。また、斜面が水平線に対して一定の角度ではなく、足場が組めない上に、崖の下には川が流れ、ちょっと足を滑らせるだけで命取りになります。

 現地を見た後、社内で各部門のスタッフが集まり、話し合いを重ねました。まずはおおよその計測をもとに図面を引き、必要な資材を多めに用意して現地で寸法を合わせながら施工しようと計画。また、斜面が一定の角度でないため、検査路を支える資材のブラケットを一定の角度で設置するにはどうするか悩み、直角三角形であるブラケットを水平線と垂直に設置して、斜面との隙間はモルタルで埋めていくことに。そして、検査路を現場に車で運び入れることも出来ないため、手で運べる軽さのアルミ製検査路をご提案しました。

山肌にそっているため凸凹としているコンクリート斜面。

一貫体制だからこそ成しえた、複雑な地形への検査路設置。

 ライフクがご提案した計画がお客様に採用されると、各部門が連携を取って動いていきました。設計担当は図面を引き、営業はその図面を持って、使用する資材や設計、取付方法などをお客様へご確認いただき、加工・製造担当は資材を準備して現場へ運び入れ、施工担当が作業に取り掛かりました。施工担当が検査路を設置するために歩くのは、安定感のある足場ではなく斜面のワッフル状のコンクリートで、手すりもありません。左右にロープを渡して命綱を付け、慎重に動きながらも正確に進めなければなりませんでした。途中、想定以上に凸凹が大きく一部の資材が足りないという場面もありましたが、各部門の担当が柔軟に対応して無事に設置が完了。納期を守り、住民の方との「新たに道をつくる」約束も果たすことができました。

 この案件は、営業、設計、加工・製造、施工とどの担当が欠けていても成しえないものでした。ライフクの各部門が一丸となってゴールを目指した、一貫体制による柔軟な対応が活かされたお仕事です。全ては、お客様と地域住民のために。ライフクはこれからも、いただいたご期待に沿えるよう、誠実に対応してまいります。

職人によって水平に設置された検査路。
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